スープを飲み、サラダにフォークを刺してレタスをもぐもぐと食べる陸の姿が小動物みたいで可愛い・・・。<br><br>「ご馳走様でした」 「もう良いの?もうお腹いっぱい?」 「うん・・・もう、お腹いっぱい」<br><br>陸のお皿に盛りつけたオムライスの量はボクの物よりも半分の量なのだが、まだそれすらも食べられないらしい。 だけど、サラダとスープは完食したみたいだから良しとしよう。陸が残したオムライスをボクが完食して、お皿を台所の流し台へと持って行けば、<br><br>「オレが洗うよ?折角作ってくれたのに残しちゃったし」 「なら、ボクがお皿を拭くから頂戴?」 「ん・・・」<br><br>陸がスポンジを持って待ち構えていた。ボクも腕まくりをして、陸の隣に立つ。一人でするより二人で分担してする方が早い。それに陸は良くお皿を落として割ってしまったりするのでお皿の片づけは専らボクの役目だ。割れたお皿で陸が怪我でもしたら大変だ。洗剤で洗ったお皿を次々とボクに手渡して来る。それを受け取り布巾で拭いて食器棚に片付けて行くと言う動作を繰り返して行けば、直ぐに全ての洗い物が片付くと、次は二人でいつもの様にお風呂場へと向かう。最初は一人ずつ入っていたけれど、ある日を境に二人で入る様になった。あの時の陸が本当に可愛すぎてどうにかなりそうだった。<br><br>「天にぃ、入らないの?」 「今行くよ」<br><br>バスタオルと下着、パジャマを持って脱衣所へ。陸が先に頭や体を洗い、その間にボクが浴槽へ。あまり長風呂が出来ないボクへの陸なりの配慮らしい。陸と交代する様に浴槽から出ると、次はボクが頭と体を洗い、二人同時にお風呂から上がれば、ホカホカと上気し、真っ赤に染まった陸の頬が色っぽい。思わずゴクリと生唾を飲み込むが、如何せん、まだ本調子ではない陸に負担は掛けさせられない。我慢だ・・・<br><br>「陸、こっち向いて?」 「ん?」<br><br>下着とズボンを履いて、同じく陸も下着とズボンを履いた所で陸の体を反転させて、背中を向けさせる。未だにあの時、九条さんに爪を立てられ、引っ掻かれた爪痕が瘡蓋となり、新たな傷痕として残ってしまっている。ボクは、洗面台の上の棚に置いてあるクリームを手に取り、陸のその背中にクリームを塗って行く。少しでも傷の痛みが無くなる様に。少しでもあの時の記憶が無くなる様に・・・。<br><br>「はい、終わり。服着ても良いよ?」 「ん・・・ありがとう、天にぃ」<br><br>パジャマの上を羽織ろ、ボタンを一個ずつ止めて行く。ボクも髪の毛をタオルでしっかりと拭いて、スウェットの上を着ると、ドライヤーを手に、陸の髪の毛を乾かして行く。ドライヤーの熱が背中に当たらない様に慎重に乾かして行く。暫く乾かすと、サラサラと指通りの良い仕上がりになった。 陸の髪の毛を乾かし終えると、次は自分の髪の毛を乾かして行く。その間に陸は歯磨きをし、寝る前の薬の吸入と、痛み止めの服用。それが終わればもう寝るだけなのだ。ボクも髪の毛を乾かし終えると歯磨きをして、二人で寝室へと。 寝室のベッドはボク達二人が寝転がっても広々とした大きさだ。このベッドは一緒に暮らすと言った日に楽と龍からプレゼントされた物だ。流石のボクもこれには驚いたけれど二人の気持ちは大切に頂いた。フカフカで柔らかいこのベッドは陸のお気に入りだ。<br><br>「わーい」<br><br>ポスンっと、ベッドに飛び乗る陸に、<br><br>「こーら。埃が舞って吸っちゃうから飛び乗っちゃダメでしょう?」 「あぅ・・・ごめんなさい」 「ほら、ちゃんと布団に入って」 「はーい」<br><br>陸の体を布団の中へ。肩までしっかりと毛布で包み込んで布団を掛ける。ボクもその横に体を滑り込ませ、部屋の電気を豆電球へと切り替える。すると、陸がボクの方へと擦り寄って来て、ギュっとボクに抱き付いて来た。<br><br>「陸?どうしたの?」 「ん・・・」<br><br>グリグリと額を背中に擦りつけて、甘えん坊の陸が生まれた。ちょっとくすぐったい・・・何て言っても止めてくれない。どうしたものか・・・<br><br>「陸?りーく、どうしたの?ちゃんと言ってくれないと分からないよ?」
翻訳されて、しばらくお待ちください..
